森の人
「また来るかな?」

蒼白した顔で、茜が、誰に聞くともなしに言った。

「多分」

拓也が答える。

『大丈夫さ』

その言葉を期待していた茜に、現実が襲う。

「どうしてまた来ると?」

不安を拭い去るかのようにコウヘイが拓也に質問する。

「おそらくさっきの獣は、餌を探してたんだよ」
「俺達が焼いてたキノコの匂いを嗅いでここに来たんだろう」

そう言って食い散らかったキノコを指差す。

「そして、餌がここにあると分かった以上、またここに来る」

拓也のその言葉に、無言になる四人。

静まり返る辺り。

その時、さっきの獣の遠吠えが聞こえた。
それも、一匹ではなく数匹。

それはまるで、拓也の
『またここに来る』
という言葉に応えるかのようだった…。
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