森の人
「道が途切れた」

どの位、おとぎ話の世界をさ迷っただろう。
そう言って拓也が立ち止まった。

その先には、神秘的な森が開け、広大な湿原が広がっていた。

「足跡もなくなってる」
「この湿原を進んだのだろうか」

拓也はそう言って、一歩足を進める。

ズブッ!

ぬかるむ足元。

しかし拓也は、構わず進み続けた。

「ちょっと待ってよ!」
「こんな所を歩いていくの?」

躊躇するサヤカ。

「大丈夫だ!このぬかるみは、そんなに深くない」

「で、でも」

「ためらってる暇はないんだ!早くしないと茜が」

「拓也さん!ちょっと待って下さい」

いつの間にか列を離れ、辺りの様子を調べていたコウヘイが叫んだ。
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