森の人
「俺達は一体、どうしてここに?」
拓也達がいる所は、澤山が最初に入れられていた鉄格子の空間ではなく、広いテントの中。
「君が俺達を助けてくれたのかい?」
拓也は、澤山の目を見て言った。
「いえ」
顔が暗くなる澤山。
「僕は、誰も助けてなんかいません」
と言って拓也から目を逸らす。
「じゃぁ、どうして?」
「俺は斧でこの体を…」
そう言って拓也は、自分の体を見た。
そして、無傷であることに疑問を感じていた。
「それは、その…」
困惑する澤山。
しかし、
「とにかく、三人を起こしましょう。時間がないんです」
コウヘイの元に寄った。
「みんなが起きてから話します」
そう言うと、コウヘイを起こし始めた。
「分かった」
拓也はそう返事すると、茜とサヤカの元に行き、二人を起こし始めた。
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