森の人

動揺を隠せず、けげんな顔をしている二人。
「私にはその気持ち、よく分かるの。その辛さも」
「だからつい、彼に
『邪魔者なんて、消してしまえばいい』
て、言ってしまったの」
「勿論、彼は否定したわ。だから安心してたのに、まさか、本当に実行するなんて…」
そう言って拓也を見る。
「そうか、だからあの時」
拓也が何かを思い出し、話し始めた。


―獣の心臓に向かって槍を投げる拓也

「しまった。外した」

心臓部分を外して刺さる

コウヘイが投げる

「外しました」

拓也と同じく、心臓部分を外して刺さる

しかし、攻撃を受け、おとなしくなる獣

「拓也ー」

空洞から出てくる茜

！！！

再び暴れ出す獣

「茜、まだ出てきちゃ駄目だ」

茜に襲いかかる獣

「澤山君、槍を」

躊躇する澤山

「何をしてるんだ。早く」

槍を投げる澤山

しかし、それも獣の心臓部を外す

「キャー」

「茜ーっ」―


「もしかして…わざと？」
澤山を疑心の目で見る茜。