極上御曹司のイジワルな溺愛
「それではこれより、康生さんと梨加さんの結婚式を始めさせていただきます。この結婚式は……」

人前式はどのようなものなのか説明し、ゲスト全員がその保証人になることを知らせた。

「申し遅れましたが、本日の司会をさせていただきます里中椛です。精一杯務めさせていただきます、どうぞよろしくお願いいたします」

流れで自分の紹介を言い添えて、スタートは順調に進む。ホッと一息つくと会場を見渡した。

特に変わったところはなさそうね。

引き続きセレモニーを進めていく。

結婚の宣誓、結婚誓約書への署名、指輪の交換と、和気あいあいとした雰囲気の中で滞りなく終わり、会場は温かい拍手に包まれた。

「おめでとうございます。皆様、おふたりの結婚を承認していただけますでしょうか? 承認いただけるようでしたら、大きな拍手をお願いいたします」

私の言葉と同時に盛大な拍手が湧き上がり、あちらこちらから「おめでとう」の声が掛けられる。

新郎新婦はもちろん、ゲストの顔も皆晴れやかだ。

「皆様のおかげで、ここにめでたくおふたりの結婚が成立いたしました。康生さん梨加さん、おめでとうございます」

あらためて結婚を宣言し、人前式の挙式は終りを迎える。

「これをもちまして、おふたりの挙式は無事相調いました。皆様、めでたく夫婦になられたおふたりに、今一度盛大な拍手をお願いいたします。おふたりの未来永劫の幸せをお祈りいたしまして、康生さん梨加さんの挙式を閉会とさせていただきます」

ふたりはゲストからフラワーシャワーの洗礼を受けながら、披露宴の準備のため、この場を後にする。

私はその後の披露宴の時間などを説明すると、一度バッググラウンドへと下がった。



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