極上御曹司のイジワルな溺愛
溢れた涙はピタッと止まり、何事が起こったのかと呆然と立ち尽くす。
あれ、あそこに立ってるのは……麻奈美?
会場の出入り口のドアに手をかけて、微笑んでいる麻奈美が目に入る。
(そんなところで何してるのよ!)
クチパクで話しかけるが、とぼけた顔をしているだけで応答がない。
梨加さんが用意したこの服、突然始まったわけのわからない余興、麻奈美のおとぼけ顔。
どうやらこれは、最初から仕組まれていた──
そうわかっても、今更どうすることもできないけれど。
もうこうなったら、なるようになるだけ。どんな事が起こっても、MCを何年も続けてきた私ならどうにかなる!
あまり意味のない自信に大きく深呼吸すると、同時に会場内が暗くなり出入り口のドアにスポットライトが当たる。
何? 誰か来るの?
胸を押さえ、ドアが開くのを待つ。
そして音楽がサビの部分に入ったその時、ドアが開いたその場所に立っていたのは──
「……そう、すけ……」
タキシードを素敵に着こなした蒼甫が、真赤なバラの花束を抱えて立っている。
なんですか、これは? と梨加さんを見ると、「ここに立って」と前へと促されてしまった。
あれ、あそこに立ってるのは……麻奈美?
会場の出入り口のドアに手をかけて、微笑んでいる麻奈美が目に入る。
(そんなところで何してるのよ!)
クチパクで話しかけるが、とぼけた顔をしているだけで応答がない。
梨加さんが用意したこの服、突然始まったわけのわからない余興、麻奈美のおとぼけ顔。
どうやらこれは、最初から仕組まれていた──
そうわかっても、今更どうすることもできないけれど。
もうこうなったら、なるようになるだけ。どんな事が起こっても、MCを何年も続けてきた私ならどうにかなる!
あまり意味のない自信に大きく深呼吸すると、同時に会場内が暗くなり出入り口のドアにスポットライトが当たる。
何? 誰か来るの?
胸を押さえ、ドアが開くのを待つ。
そして音楽がサビの部分に入ったその時、ドアが開いたその場所に立っていたのは──
「……そう、すけ……」
タキシードを素敵に着こなした蒼甫が、真赤なバラの花束を抱えて立っている。
なんですか、これは? と梨加さんを見ると、「ここに立って」と前へと促されてしまった。