ETERNAL CHILDREN 2 ~静かな夜明け~

 胸をまさぐる指と舌。
 優しく揉み込まれ、シイナの息が乱れる。
 先端を舌が嬲り、もう片方を指先がこね上げる。
 シイナが仰け反って身を震わせると、今度は舌と指が反対になる。
 両方の先端が赤く色づき、尖ってより一層敏感になる。
 強く吸われると、夢の中のように淫らな喘ぎが漏れた。
 それを確かめると、より一層フジオミの動きが激しくなる。
 余裕のないその行動は、シイナにも伝わった。
 だが、性急なそれが逆にシイナの感情を高ぶらせた。

 もっと触れて欲しい。
 もっと強く、もっと激しく。

 夢の中よりも、もっと直接に、全身に、快感が広がった。
 こんなことは初めてだった。
「フジオミ……」
 腕を伸ばし、フジオミの頭を抱くと、彼は応えるようにシイナの肌をまさぐった。
 その所作の一つ一つが、彼女の身体が今だかつて感じたことのない、もどかしく堪えきれない疼きを与える。
 だがそれはなんと甘美な喜びだろうか。
 認めてしまえば、羞恥さえその快楽の前に消えた。
 フジオミはいささか強引だったが、決して以前のような独り善がりな抱き方はしなかった。
 シイナに触れる指も舌も、全てが彼女に切ない喘ぎを漏らさせるためだけに使われた。
 シイナもまた、与えられるままに、ただ応えた。
 自分の内側から溢れてくる熱いうねりを、フジオミの愛撫で従順に解放した。
 そこが浴室の床の上だということも、出しっぱなしのシャワーが身体にかかるのも、気にならなかった。
 濡れた身体を絡ませ、二人は濃密に求め合った。

「ああ、フジオミ、待ってフジオミ――!!」

 だが、一年ぶりにフジオミをその身に受け入れたとき、不意にシイナはそれ以上の彼の動きを封じた。
「シイナ……?」
 フジオミが少しだけ身体を離してシイナを見下ろした。
 乱れた吐息は落ち着かない。
「恐いわ。このままだと、どうなるのかわからない。初めてだわ。こんなこと、初めてだから、だから……」
 どう言っていいかわからずに頼りなげな瞳を向けるシイナに、彼は優しくくちづけた。
「僕も、初めてだよ。今まで何度も君とこうしてきたけれど、こんなに激しく君を感じたのは」
 互いの指を優しく絡ませて、そこにもくちづける。
「シイナ、僕を信じて、君を傷つけることは決してしない。ただもっと、君を感じたいんだ。君にも、僕を感じてほしい」
 宥めるように、彼はシイナにくちづけを繰り返した。
 繋いだままの身体で受けるそれは、徐々に強ばったシイナから緊張を解いていった。
 縋るものが欲しくて、シイナはフジオミの背中に腕を回した。
「いい……?」
 かすれたささやきが耳元に届くと、シイナは小さく頷いた。
 フジオミがよりいっそうの繋がりを求めて、身を沈める。
「――っ!!」
 声にならない悲鳴を、シイナはあげた。
 突き上げる激しい感覚に、何も考えられない。
 激しい快楽に、シイナは喘いだ。
 だが、漏れる声すら甘く、官能的に響いた。
 シイナの声音に刺激され、フジオミの動きが一層強まる。
 彼もまた、これまでの行為の中で一度も感じたことのない激しい快楽に酔っていた。
 愛する者と行なうセックスに、これほどの快楽があろうとは思ってもいなかったのだ。
 シイナの声、表情、動き、全てが愛しく、自分が与えている喜びを肌を通じて自身も感じていた。
 以前とは違う激しい行為にも、シイナは苦痛の色さえ見せない。
 それどころか、全てを従順に受け入れ、ただ、フジオミに応えていた。
 こんなに愛しく思える女には、例えどんなにたくさん別の女がいても、もう出会えない。
 自分の身体の下でこれまでにないほど官能的に乱れているシイナが愛しすぎて、今この瞬間に死んでもいいとさえ思えるほどに欲情していた。
 互いの荒い吐息しか、もう耳に入らない。
 同時にのぼりつめた瞬間に、シイナは激しい絶頂感に悲鳴のように喘いだ。
 そうしてそのまま、意識すら手放した。






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