ひとつ、ベッドの中
「自己紹介…なんて今更しなくても大丈夫よね」


ふわりと優しいその余裕の笑みが、またたまらない。


恋愛対象にすらならないんだど現実を思い知らされて、ますますみじめになる。


「全員顔見知りだから楽だな。メシでも食おうぜ」


宏太君があたしの手を取った。


「――っ」


いつもの動作。


だけど、なんとなく凌ちゃんに見られたくなくて、俯いて唇をギュッと噛んだ。

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