白銀の女神 紅の王(番外編)


「後は俺の家でとれた野菜。これ食って早く治せよ」


テーブルに並べられたのはニンジンやパプリカ、キャベツなどの野菜だった。




「ブルームさんの家は代々農家を営んでいる家系で、サウス地区の農地はほとんどがブルームさんの家が管理しているの」

「すごい……」


敬語ではないニーナのぎこちない話し方も気にならないほど目の前の野菜に視線が釘付けだった。

ニンジンやキャベツはは見たことないくらい大きいし、パプリカは艶やかで朝露をはじくほど瑞々しい。

ブルームが手間をかけて作ったことが分かる。




「ありがとうございます」


ブルームに対する警戒が解け、私のために薬と野菜を持ってきてくれたことに感謝の言葉を口にした。

自然と笑みがこぼれると、ブルームはぽかんと呆気にとられたように固まり、次の瞬間バッと顔を逸らした。



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