白銀の女神 紅の王(番外編)


「れ、礼を言われるほどじゃない。フェルトの所にはよく食料を運んできてるからな。そのついでだ」

「ついででもありがとうございます。嬉しいです」

「おう。じゃあまたな」


何故か顔の赤いブルームは私をチラリと見た後、空になった麻袋を担いで、部屋を出ていった。

バタンという扉の音とともにニーナからため息がこぼれる。




「エレナ様は無自覚で相手の気を引くので困りますわ。シルバ様がここにいなくてよかったです」

「何のこと?」


何のことか分からずニーナに聞けば、ニーナは首を横に振る。




「いいえ、何でもありません。さぁ、今日は移動ばかりでお疲れでしょうから薬を飲んでお休みになってください」

「ありがとうニーナ。そうするわ」


その夜はブルームのくれた野菜でスープを食べ、薬を飲んで眠った。




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