白銀の女神 紅の王(番外編)
どう答えたら良いものかと思案していると、思わぬ助け船が入った。
「お!ちびたちこんなところにいたのか。ったく、目を離すとすぐどっかに行っちまうなお前たちは」
アベルとココットを見るなり呆れたような顔でこちらに来るのはブルームだ。
その背にはいつものように野菜などが詰め込まれた麻袋が担がれていた。
アベルとココットはブルームを見るやいなや駆け出す。
「ブルーム!」
「"ブルームさん"だろ」
二人の呼び方を訂正するブルームは駆け寄っていったアベルとココットの頬を軽く摘む。
「ブルームのいってたお姉ちゃんってこの人?」
頬を摘まれたままそう話すアベルにブルームは訂正の意味を込めたことも無意味だと感じたのかアベルとココットの頬から指を離した。
「そうだ。本当に銀色だっただろ?」
「うん!」
ブルームはアベルたちの態度に別段機嫌を損ねた様子はなく、自慢げなブルームの目は子供の目をしていた。
「ブルームが言ってたとおりきれいだね」
続いてココットが口にした言葉にシンとその場が静まり返った。