白銀の女神 紅の王(番外編)
「それは俺たちの台詞だろ。3対1のこの状況でお前が有利だとでも言うのか」
「今なら見逃してやってもいいぜ?」
安っぽい台詞を吐いて啖呵を切る姿は興ざめを通り越して哀れだ。
剣の構え方もなっていない素人を相手にすることほど面倒なことはないが…
「お前たちがそのつもりなら手加減は要らないな」
男から奪った剣を投げつけると、慌ててそれを受け止める男。
顔には何故剣を返したのか分かっていない様子だ。
「俺は今気が立っている。少々手元が狂ったって後で文句は言うなよ?」
笑みを消して低くそう言った俺に、男たちはゴクリと生唾を飲み、額に冷や汗を浮かべた。
男たちは剣を持って構えているものの、地面に足が張り付いているかのように誰一人としてその場から動かない。
改めて冷静に男たちを観察すると、来ている服からして一般市民ではなさそうだ。
剣も所有しているということはサウス地区の貴族か。
まぁ貴族といってもこいつらは親の財で遊んで暮らしているだけの者たちだろう。
「先ほどまでの威勢はどうした」
相手を挑発する言葉と自尊心を煽るような嘲笑を浴びせれば、一番若そうな男がピクリと反応する。
こういうタイプは煽れば煽るだけ我を見失って突っかかってくる。