鏡の国のソナタ
しかし、素奈多はガンとして動かない。

「まぁまぁ、行きたくないってもんを無理に誘うことねぇって」

クランは、投げつけられたクッションを素奈多に抱かせるように手渡して、心配顔の花南を抱き寄せた。

「じゃな、素奈多」

クランは、花南の肩を抱いたまま、廊下に出ていく。

花南は、素奈多を振り返り振り返り、クランに従った。

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