黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編
叫び声に重なり、静かな曲が流れ始めた…

走り回る二人の姿を隠しながら、どん帳がゆっくりと降りて行く…

舞台のそでにスポットライトが当たると、ナレーターをつとめていた女子部員が、その下に現れた。

「…この後…堕天使ラサエルとカイサルの恋の行方は、どうなったのでしょうか?…かなり気になりますが、それはまた、別の話という事で幕を閉じたいと思います…」

言い終えると、会場に大きな拍手が起こった。

「…以上で演劇部による劇『天使の証明』を終わります。お集まりの皆様、最後までご観覧頂き、ありがとうございました…」


いつの間に集まって来たのか…
ナレーターの里美ゆりの後ろには、ラサエル役の鳴海宗一、カイサル役の久川克美、照明・美術担当の光田和美が並んでいた。

四人が頭を下げると、会場から再び拍手が起こった…


いつまでもやまない祝福のように、その拍手は四人が生涯忘れる事のない、思い出の一つになった…

Fin
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