銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
射抜くような視線と、強いまっすぐな目。
離れた場所からでも、痛みを感じるほどの強烈な眼差しがあたしを不安にさせる。
アグアさんを助け出し、狂王を改心させる。
そして全て世界は元通り。めでたしめでたし。
そうなると思っていた。でも……。
この男が立ちはだかる。
きっと予想だにしなかった、何かが起きる気がする。
そして事態を、あたし自身までもを変えてしまいそうな予感がする。
何が起こるかは想像もつかないけれど、だからこそ、あたしは恐怖を感じる。
あの男の、どこまでも自分を信じる強い意志に対して、あたし自身がが飲み込まれてしまいそうな気がして。
出会う前に感じていた、狂王への恐怖。
それとはまるで違った恐れを、今あたしは、ヴァニスに対して感じている。
ヴァニスがこちらに向かって歩き出すのが見えた。
あたしを見つめたまま、一歩一歩、確かな足取りでバルコニーを歩いて接近してくる。
あたしは、窓の木戸を勢い良く閉めた。
窓に背を向け、激しく鳴る胸を押さえる。
明日はヴァニスと城下の視察。
……嫌な予感がする。ヴァニスに会いたくない。明日なんか来なければいい。
雨が降らないかな? 悪天候なら視察も中止になるかも。
あたしが雨乞いすれば効果があるんじゃないかしら?
ねぇジン……ジン……。
あたしは心の中で縋りつくように、何度も繰り返しジンの名を呼び続けていた……。
離れた場所からでも、痛みを感じるほどの強烈な眼差しがあたしを不安にさせる。
アグアさんを助け出し、狂王を改心させる。
そして全て世界は元通り。めでたしめでたし。
そうなると思っていた。でも……。
この男が立ちはだかる。
きっと予想だにしなかった、何かが起きる気がする。
そして事態を、あたし自身までもを変えてしまいそうな予感がする。
何が起こるかは想像もつかないけれど、だからこそ、あたしは恐怖を感じる。
あの男の、どこまでも自分を信じる強い意志に対して、あたし自身がが飲み込まれてしまいそうな気がして。
出会う前に感じていた、狂王への恐怖。
それとはまるで違った恐れを、今あたしは、ヴァニスに対して感じている。
ヴァニスがこちらに向かって歩き出すのが見えた。
あたしを見つめたまま、一歩一歩、確かな足取りでバルコニーを歩いて接近してくる。
あたしは、窓の木戸を勢い良く閉めた。
窓に背を向け、激しく鳴る胸を押さえる。
明日はヴァニスと城下の視察。
……嫌な予感がする。ヴァニスに会いたくない。明日なんか来なければいい。
雨が降らないかな? 悪天候なら視察も中止になるかも。
あたしが雨乞いすれば効果があるんじゃないかしら?
ねぇジン……ジン……。
あたしは心の中で縋りつくように、何度も繰り返しジンの名を呼び続けていた……。