銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
 たとえこの先何が起ころうと、どんな結果が待ち受けようとも、この気持ちに変わりようは無い。

 愛してるわ……。

 愛してる……。

「しずくさん、ジン。わたし、おうえんしてますから」

 グスグスもらい泣きしているノームに、ジンが嬉しそうに答えた。

「ありがとうノーム。イフリートも同じ事を言ってくれたんだ」

「イフリート! イ、イフリートは今どこですか!?」

「オレと一緒に城に戻ってくれたよ。自分はどこまでも友と一緒だって」

「イフリートがここに来ているんですか!?」

 ノームの表情が、目に見えてパァッと明るくなった。

 イフリートのお陰で、ノームの気力が一気に戻ったみたい。恋の威力は絶大ね。

 あ……でも。

「ジン、モネグロスはどうしている?」

 あたしの問いに、明るさの戻ったノームの顔色がまた翳った。

「ああ、もちろんモネグロスも一緒だよ」

「一緒? じゃあこの付近にいるのね?」

「ああ」

 頷くジンの姿に、あたしの気持ちは暗く沈んだ。

 そうか。そうよね。あの弱りきったモネグロスを、ひとりで砂漠に帰すわけにもいかないし。

 となれば当然この付近にいるわよね。

「どうしたんだ?」

 ジンが、あたしとノームを交互に見ながら尋ねる。

 あたし達はお互い目を合わせて、そして下を向いてしまった。

 とても言い難いけど、黙っていてもどうにもならない。

「モネグロスにだけは、砂漠に帰っていて欲しかったわ」

「どういう事だ?」

「アグアさんを見つけたの」

「……本当か? それで?」
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