【神様の悪戯】
「お前は仕事に真面目すぎるぞ」
「あら、それを認めてくれているのは誰?」
「…俺」
そう、貴方が初めて認めてくれたのが、仕事だったから。
仕事以外のつながりを持たなかった私たちを、それ以上の絆でつないでくれたのが、仕事だった。
だから、頑張れる。どんなことがあっても。
「貴方のもとで、仕事が出来る自分が誇りよ」
「わかってるよ」
ベットの淵に座った私の気配で、起き上った彼が、私の後頭部に腕を伸ばし、ゆっくり唇を重ねあった。
この人を愛している。
まさかこのとき、この後、その某アイドル様が私たちの関係を乱すなんて、少しも思うわけもなく、
まるで本当の嵐や雷のような神様の悪戯に翻弄されることとなる。
end
