光源氏の腕の中【仮】
・・・

私の気持ちは置いてけぼりのまま、

婚儀はどんどん進んでいった。

…式が終わり、

大きな宴会も開かれた。

大臣たちに、

たくさんの側室、

そしてひときわ目立つ正室。

私はたくさんの女性たちに

冷たい眼差しで見つめられてる事に、

耐えるしかなかった。

・・・

「しかし、本当に異国の姫ですな?

このような、不思議な髪色に、

透き通るような白い肌…

こんなに美しい側室を傍に置くと、

周りの姫さま方から苦情が出そうだ」

そう言って笑う大臣。

・・・

一瞬微笑んだ帝だったが、

その笑顔はすぐに消え、

いつにもまして神妙な面持ちになった。


「さよう・・・

姫様方には言っておきたい事がある。

朱音は、側室だが、権力争いに巻き込みたくはない。

よって、朱音に子供が出来ても、

後は継がせぬゆえ、巻き込まないこと。

そして、ヤキモチ等とふざけたまねをした姫には、

お宿下がりを言い渡す。

そのつもりで、朱音と仲良く・・・」
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