光源氏の腕の中【仮】
『お宿下がり』

それを言い渡された姫は、

お役ご免…

王位継承権を失うとともに、

側室・正室の座も失う事。

・・・

帝の重い言葉に、

姫さま方の顔色は青くなった。

・・・

顔色が変わらなかったのは、

正室と、最後に側室になった姫様だけ。

2人は、そのような事は、

しない性格のようだった。

・・・

「朱音、皆に挨拶を…」

さっきとは打って変わって、

優しい微笑みを浮かべ、帝が言った。

・・・

私は座り直し、

深々と頭を下げた。


「…朱音と申します。

不束者ではありますが、

宜しくお願い致します」


私の言葉に、

皆納得してくれた様子。

私は安堵の溜息をついた。
< 101 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop