光源氏の腕の中【仮】
「毎朝の習慣にございますから、

朱里様はお気になさらず・・・

それより、

着物の着方はご存じでございますか?」

「・・・ううん。

知りません・・・

教えてもらえますか?」

・・・

恥ずかしそうに言った私を

クスッと笑ってお菊が言った。


「さようにございますか。

一からお教えしますので、

覚えてくださいね?」


「・・・はい」

・・・

着物の着付けなんて、

しかも平安時代の着物は、

まして男物となると、チンプンカンプン。

・・・

「慣れるまでは、

ちゃんと着付けいたしますから、

ご心配なさらずに」

私の気持ちを察したのか、

お菊は言った。

・・・

髪も結ってくれて、

短めの烏帽子をかぶせてもらい…
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