光源氏の腕の中【仮】
「本当に・・・

誰が見ても、素敵な殿方。

これを取ると打って変わって、

可愛らしい女性だなんて、

誰も気づきませんね?」

・・・

私の姿をまじまじと見ながら、

お菊が言った。

・・・

「男の格好をするなんて、

やっぱり慣れない・・・

本当におかしくないお菊さん?」



「ええ。

とてもお似合いですよ?」

・・・

「朱音、起きたのか?」

「・・・光」

・・・

そこへタイミングよく、

光が姿を現した。

・・・

「今日は、宮中で、

詩の詠み会がある・・・

朱音もついて来い」

「・・・でも、

詩なんて、私は詠めない」

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