俺様ホストに愛されて
「ほら、帰るぞ」
スツールに座って食器の片付けを手伝っていると、後ろからリュウが抱き付いて来た。
その重みと香水の匂いにドキッとして、食器を拭いていた手を止める。
腕時計を見ると、0時を少し回ったところ。
太一はもう、帰ったかな?
待たれてると迷惑だってちゃんと言ったし、なにより彼氏がいるとまで言ったんだ。
「ボケッとしてねぇで、行くぞ」
あたしのカバンを持ち上げたリュウは、プレゼントが入った袋を持った手にそれを束ねた。
そして、空いた手であたしの腕を取る。
「悪い、花束持ってくれるか?」
「うん」
レジの上に置かれた豪華な花束を持ち上げ、挨拶をしてからお店を出た。