俺様ホストに愛されて
そうすると、リュウはフッと笑って頬を撫でてくれるんだ。
「妃芽のほっぺた……相変わらずぷにぷにだな」
「い、いひゃいよ」
頬をつままれて、マヌケな声が出る。
それを見て、リュウはおかしそうにケラケラ笑う。
そんな何気ない日常の一コマがすごく幸せ……なんだけど。
「最近疲れてるだろ?早く寝ろよ」
ソファーの上に起き上がったあたしに、リュウはテーブルの上のミネラルウォーターに手を伸ばしながら言った。
「う、うん」
リュウの部屋にやって来て以来一緒に寝たのは初日だけで、それからはずっと別々で寝ている。
って言っても、ホストをしているリュウは夜いないことが多い。
朝方に帰って来ても、リビングのソファーで寝てるし。
一緒に寝たくないの?
さすがに毎日続くと不安になる。
一緒にいるのに。
今日だって、せっかくお互い休みなのに。
一緒に寝ようって言えればいいんだけど、あいにくそんなに可愛くないんだ。
本当はそう思ってるのに言えない。