俺様ホストに愛されて
爽やかな感じは前に会った時と全く変わっていない。
相変わらず、白のスーツがよく似合う綺麗な男性。
「も、申し訳ありません」
そう言ってささっと退いたその人は、イッキさんに向かって軽く頭を下げた。
確かここの代表は、リュウのお兄さんのイッキさんだったっけ。
「いやいや、大丈夫。タクちゃんって、本当にガタイ良いよな〜」
そう言って、イッキさんはケラケラ笑い飛ばした。
タ、タクちゃん⁉
そんな柄かな、この人。
どう見ても、ちゃん付けするような柄の人じゃない。
イッキさんはあたし達に気付くと、驚いたように一瞬だけ目を見開いた。
だけど扉の前に立ち尽くすタクさんと、あたし達の姿で全てを悟ったらしい。
「この子達は良いよ、中に通してあげて」
「かしこまりました」
「はい、これ。落としてたよ」
イッキさんの姿に驚いていたあたしは、差し出された自分の免許証を見て我に返った。
どうやら、いつの間にか落としていたみたい。
「あ、ありがとうございます」
「いーえ。じゃ、俺は出てくけど……姫ちゃん達は楽しんでってね」
ネオンの中に白のスーツはよく映えて、その後ろ姿はあっという間に見えなくなった。