俺様ホストに愛されて
「おはよ。朝飯、つってもパン焼いただけだけど……食うか?」
キッチンから顔を覗かせたリュウは、スーツではなくスウェット姿だった。
「お、はよ……帰ってたんだ」
キッチンにいるリュウの元へ行くと、珍しく目玉焼きなんか焼いちゃったりしていた。
どうしたの……?
いつもはこんなことしないのに。
「軽くシャワー浴びて、腹減ったから作ってみた」
卵割っただけだけど、なんて言って笑うリュウはいつもとなんら変わりない。
一人で不安になってるあたしがバカみたいだよ。
「疲れたでしょ?後はあたしがやるから、座ってゆっくりしてて」
「いいよ、今日は俺がやるから」
「でもっ」
一睡もしていないリュウは疲れてるはずなのに。
フライ返しを掴もうとしていた手を簡単に交わされ、その手は虚しく空を切った。