俺様ホストに愛されて


リュウと別れるだなんて、あたしに出来るのかな。



はっきり自分の口から別れを告げることが出来る?



そんなの、とてもじゃないけど無理だ。



約束はしたものの、どうしたらいいのかわからない。



別れるっていう現実を、受け入れることが出来ずにいた。





「なんかあった?」



あれから2日後の今日。


『Rose Pink』のカウンター席に、リュウと並んで座っていたあたし。


夕方に仕事が終わったので、出勤前のリュウと一緒に飲みに来ていた。



リュウがトイレに立った隙に、ユメさんがそっと耳打ちする。



妊娠5ヶ月で安定期に入ってから、たまに手伝いでお店に顔を出すようになったユメさん。



ぽっこり出て来たお腹が、あたしの意思を奮い立たせる。



時々愛しそうにお腹をさするユメさんを見ていると、どうしようもないくらい泣きたくなった。


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