俺様ホストに愛されて
「元気な赤ちゃん生んで下さいね」
聞こえるか聞こえないかくらいの声のトーンでそう言い、カバンを持って立ち上がった。
「え?なんか言った?」
こっちに背を向けていたユメさんは、振り向き様にそう訊き返してにっこり笑う。
「なんでもないですよ、ごちそうさまでした」
そう言って軽くペコッと頭を下げ、下を向いたままリュウの後を追った。
レジにいたヒロさんにもお礼を言って、既に先にお店を出てしまったリュウに続く。
「ん」
そう言って目の前に差し出されたリュウの手。
今では手を繋いで歩くのが当たり前になった。
いいのかな?
リュウを手放そうとしてるあたしが
この手を取っても。