俺様ホストに愛されて
「そりゃ会いに行くべきでしょ‼っていうか、あたし的には別れる理由が全くわからない」
そう言って豪快にビールを飲み干す亜希。
「俺は妃芽の気持ちもわかるけどな」
大樹は静かに話を聞いて、たまに口を挟んで来る程度。
運転があるのでアルコールはお預け。
家族である大樹にこんな話をするのは照れくさかったけど、イッキさんのことが気になったらしく引き下がろうとしなかった。
大まかな話の流れを説明し終えた後でも、あたしはまだウジウジ悩んでいた。
「もうさ、脅されてることをリュウ君に言ったら?リュウ君ならなんとかしてくれるよ」
焼き鳥を頬張りながら亜希が言う。
「無理だよ、傷付くのわかってて言えない」
「あー、もう!傷付くかどうかは、本人に聞かなきゃわかんないでしょ?それにね……いくら大企業の社長令嬢でも、娘の言うこと聞いて他人の会社潰すような親はいないよ?」