俺様ホストに愛されて
「自暴自棄気味だな」
呆れたように笑う声を聞きながら、勢い良くカクテルを口に運ぶ。
相変わらずこっちを見ていたけど、そんなことはもう全然気にならなかった。
なによ、あんな男。
どうせ今頃、またあの子とイチャイチャしてるに決まってる。
あたしと別れたくないって言いながらも、あの子にも冷たくあしらうなんてきっと出来ない。
それが太一だって知ってるから。
ただ、八方美人なだけじゃん。
カクテルグラスに視線を落としながら、頭の中では色んなことが巡る。
なによー、あんな奴……
なんだか身体が熱くて、視界がぐわんぐわんする。
脈も速い気がするし、真っ直ぐ座ってられない。
「なんだか……目が回る」
「おい、大丈夫か……?だから言ったのに」
竜太さんはあたしの顔を心配そうに覗き込んだ。
「だ、だいじょぉぶれす」
そうは言ったものの、目が回ってちょっときついかも。
「カクテルは甘いから飲みやすいかもしんねぇけど、アルコールはキツいから気を付けろよ」
そう言った後、竜太さんはあたしの腰に手を回した。