俺様ホストに愛されて


「自暴自棄気味だな」



呆れたように笑う声を聞きながら、勢い良くカクテルを口に運ぶ。



相変わらずこっちを見ていたけど、そんなことはもう全然気にならなかった。



なによ、あんな男。



どうせ今頃、またあの子とイチャイチャしてるに決まってる。



あたしと別れたくないって言いながらも、あの子にも冷たくあしらうなんてきっと出来ない。



それが太一だって知ってるから。



ただ、八方美人なだけじゃん。



カクテルグラスに視線を落としながら、頭の中では色んなことが巡る。




なによー、あんな奴……



なんだか身体が熱くて、視界がぐわんぐわんする。


脈も速い気がするし、真っ直ぐ座ってられない。





「なんだか……目が回る」



「おい、大丈夫か……?だから言ったのに」



竜太さんはあたしの顔を心配そうに覗き込んだ。



「だ、だいじょぉぶれす」



そうは言ったものの、目が回ってちょっときついかも。



「カクテルは甘いから飲みやすいかもしんねぇけど、アルコールはキツいから気を付けろよ」



そう言った後、竜太さんはあたしの腰に手を回した。

< 37 / 402 >

この作品をシェア

pagetop