俺様ホストに愛されて
柔らかいリュウの唇はびっくりするくらい冷たくて、冷静さを取り戻そうとさせるようだった。
遠慮がちなリュウの唇だったけど、何回も繰り返す内に応えてくれるようになった。
腫れ物に触るみたいに、優しくあたしの腰に手を回すリュウ。
そして背中にスーッと指を這わされ、思わず体がビクンと反応した。
その手付きは、太一にそっくりで
固く固く目を閉じた。
何かを振り払うように、固く。
全てを忘れようとするかのように。
「目ぇ開けろ」
耳元で聞こえたリュウの声。
思い詰めたようなその声に、あたしは固く閉ざしていた目を恐る恐る開けた。
リュウは無表情で、なにを考えているのか全くもってわからない。
ただ、少し茶色がかったその瞳が小さく揺れていた。