オリオン座
キミノコト





彼女と出会ったのは2年前。僕が大学2年の20歳の時だった。




大学から始めたバイト先に彼女はいて、最初は会話もあんまりなかったけど
時間が経つにつれ会話も増えてきて段々に仲良くなっていってお互いがお互いを必要とするのに時間はかからなかった。




付き合ってからは時間が許す限り彼女との思い出作りに時間を使った。




バイトで貯めたお金でディズニーランドとか色々な所に行ってたくさん笑った。




家の近くのすこし高い丘の上で一緒にオリオン座を見ながらずっと語り合ったりもした。




時間は緩やかに僕たちの上を流れていて、全てのことが大事に思えた。




春、夏、秋、冬。




彼女と過ごす全ての季節に意味があって、1年という月日はあっという間に過ぎ僕も彼女も大学3年の年になった。




その1年はあっという間で確かにそこにある『幸せ』を感じながら僕はそれが来年も再来年もその先もずっとずっと続くものだと思っていた。何の根拠もないけど。そうこの時まではずっとそう思っていた、いや今に思えばそう思いたかったんだと思う。




『幸せ』はきっと誰もが求める物だと思う。誰だって自ら不幸にはなりたくないし幸せになりたいもの。




それでもいざその幸せを手に入れた時不安になってしまう。
この幸せはいつまで続くのか?。いきなり奪われたりしないだろうか?。また不幸に戻らないだろうか?。




そんな答えのない漠然とした不安に襲われてしまう。そんな事を考えても仕方ないと分かっていても、自分でもどうしようもない自分の感情がずっと不安にさせる。




……。




















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