世界を濡らす、やまない雨
有里の切ない声が、いつまでも耳に残る。
少なくともあたしは本気だった……
そんなこと、私は少しも気付かなかった。
「有里……」
名前を呼ぶと、有里が泣きそうな目をして私を睨む。
有里にかける言葉を探す私に、彼女は言った。
「軽蔑する?いいよ、みんなと一緒にあたしをバカにしてれば」
「有里、私は────」
「やめてよ。あたし、杏香なんかに同情されたくない」
有里が私の言葉を遮る。
「あたし、杏香のことなんて友達と思ったこと一度もないから」
泣きそうな目をしながら、冷たく言い放たれた有里の言葉が胸に深く突き刺さる。
思わず、表情が強張る。
「じゃぁね」
有里は唇を歪めて笑うと、私に背を向けて歩き出した。