世界を濡らす、やまない雨
「っう…ぐっ……」
強い眩暈と吐き気を覚えて、手の平で鼻と口を覆う。
そのまま床に蹲るように座ったとき、怜が振り返った。
薄暗いの灯りで、怜の額にうっすらと浮かんだ汗が光る。
「怜、どうしたの?」
行為が中断されたことに気付いた、柑橘系の香りを纏った誰かが気だるそうに上半身を起こす。
身体を起こした女が、怜の首に腕を回す。
派手な化粧を施しているその女は、顔立ちも身体もとても綺麗な人だった。
行為の中で何度も怜と重ねたであろうはずの唇は、薄暗がりの中でも未だにぬらぬらと光っていて妖艶だ。
見るからに、私とは全く違うタイプの女だった。
けれどおそらく、綺麗な顔立ちをした怜と並ぶとその女はよく似合う。