長い夜の甘い罠【完】


ある程度用意が終わって直ぐ、玄関のドアが開く音と共に男が帰って来た。

小走りで玄関へと出迎える。


「お帰りなさい」

「来てたのか」

「ええ、貴方のお誕生日をお祝いしようと思ってね」

「そうか。風呂入って来る」

「え、ええ、分かった」


骨張った大きな手で頭をぽんぽん撫でた後、浴室へと入って行く男。

何かおかしい。

いつもと違い顔色がおかしかった気がするけど、気のせいかしら?


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