長い夜の甘い罠【完】


体調でも悪いのだろうか。

気になりつつもリビングへと戻ると、作った料理をテーブルへと並べる。

後は食べるだけね。

一人時計を眺めているものの、不意に先程の男の様子が気になり浴室へと繋がる脱衣所を覗く。

シャワーの音を聞く限り男が洗っている事が分かり、考え過ぎかと視線を戻そうとした矢先の事。

赤く染まったカッターシャツが視界に飛び込んで来た。


「何これ……血…?」


カッターシャツの脇腹付近には血がべったりと付着していた。


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