長い夜の甘い罠【完】


「部屋まで送る」

「そこまでしなくても大丈夫よ。此処で良いわ。有難う、送ってくれて」

「待て……―――っ」


振り返り歩み始める私の腕を男が掴んだ刹那、男の電話が鳴り響いた。

罰が悪そうに電話に渋々出る男が耳にする携帯から、女性の声が漏れている。

まさか…昨日の人?

男は何やら適当に会話を区切り、半ば強制的に電話を切ったみたいだけれど…良いのかしら。

と言うか、昨日も会って今日も電話なんて随分仲良いみたいね。


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