長い夜の甘い罠【完】


…凄く怖かった。

心臓がバクバクとうるさくて、先程の夢が頭から離れない。

お母さん、怒ってた。

あの時、私以外は皆殺されたのに、私だけが助かったから…怒ってた…。


「…っ…ごめ…なさっ…」


溢れる涙を堪える事が出来ず、両手で顔を覆い泣いた。

夢は夢って分かっているけど、あの時お母さんが言いたかった事は事実…。

私だけが助かってしまった真実。

私だけが痛い思いをせず済んだ。

私だけが血を流さずに済んだ。

私だけが…苦しい思いをしてない…。

……私だけ―――。


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