長い夜の甘い罠【完】
…もう会わない。
…最後くらい…素敵な思い出を作る事、許されるかしら?
「…ねぇ」
「何だ?」
「デートしない?」
「…どうしたんだ急に」
「デートがしたくなったの。ダメ?」
「嫌、デートするか」
男は私の頭を撫でた後、頬へとキスを落としぎゅっと抱き締める。
この感じが好き。
こんなに満たされた朝を迎えたのは初めて。
いつまでもこうして過ごしても飽きが来なさそう。
ずっと、こうしていられる。