長い夜の甘い罠【完】


「…ぅ…っ……隼人ぉ…」


こんなに好きになるとは思わなかった。好きな人との別れがこんなに辛いなんて、初めて知った。

苦しくて悲しくて、貴方の顔や声や仕草、全部が頭から離れない。

本当はさよならなんてしたくない。貴方の傍に居られたらどれだけ幸せな事か。

けれど、それは決して許されない。私は愛してはいけない人を愛してしまったのだから…別れるのは当然の事。

沢山涙が溢れ溢れる中、車が見えなくなるとその場に座り込みただひたすら泣き続けた。

さようなら隼人。

私の愛しい人。

…さようなら。


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