長い夜の甘い罠【完】


「明日は急な仕事が入っててな。会えそうにない。明後日の土曜、緊急な事がなければ迎えに行く」

「ええ、分かった。仕事、頑張ってね」

「ああ、じゃあな」

「おやすみなさい」


男は私の頬へ軽くキスを落とし、車内から出て部屋へと入る私を見送った後に帰宅した。

よくよく考えたら、金曜日に会わないのは久し振りだわ。

仕事って言っていたけれど、女と会うとかかもしれないわよね。

……だから何?

別にそれはそれで良いわよね。私には関係のない事。


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