隣のぼーいふれんどサマ。


「カズのペースに合わせるって言ってんの。」


あ、意外と優しい・・・


「もちろん抵抗する女抱くのも嫌いじゃない・・・っつーかむしろ好物だけど、カズが嫌がることあんまりしたくねぇからな。」


そ、その発言は仮にも彼女の前でする発言じゃないと思いますけど!!


「そりゃどーもっ。」


適当に言い捨てて、俊哉の腕の中から無事(?)脱出すると、あの不敵な笑みがあたしに向けられる。


「それに・・・お前、今言ったしな。」


「え?何を?」


「まだ、って。今の言葉、絶対忘れんなよ?」


///!!


失敗したぁっ!!


何でまだ、とか言ってるの、あたしのバカバカバカ!!


急激な体温上昇が感じられる顔を両手で隠すと、おでこにキスをひとつ。


また体温が上がる。


何食わぬ顔をして、口笛を吹きながらケーキをほおばる甘党彼氏のことを嫌いになれない“あたし”自身のことがムカついて、妙に恥ずかしかった。

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