隣のぼーいふれんどサマ。
ずっと隣にいて。
あたしを置いていかないで。
あたし、大好きなんだよ。
あたしの隣で笑って・・・?
「カ、カズ、お前・・・思い出したのか・・・?」
俊哉があたしから手を離す。
「やだぁっ!!!手、握ってて?もう・・・ずっと一緒だよ。隣にいて・・・。」
「・・・あぁ。ごめんな。・・・俺はいるよ。」
「うん・・・。」
「・・・“智也お兄ちゃん”は、カズの隣にずっといるからな。」
「うん。」
あの温かい手を感じる。
俊哉じゃない。
今、隣にいるのは“智也お兄ちゃん”だ。
あたしはひとりじゃない。
智也お兄ちゃんが隣にいてくれるもん。
寂しくなんてない。
ずっと、ずっと隣にいてくれているから。
・・・疲れちゃったな。
眠ろう。
大丈夫。
何も辛くない。
あたしの隣に大好きな智也お兄ちゃん。
「・・・おやすみ。智也お兄ちゃん。」
「・・・おやすみ、カズ・・・。」
手をつないだまま、夢の中へとあたしは駆けていった。