Octave~届かない恋、重なる想い~
まさかの申し出に、思わず全力で首を横に振った。
「私の都合で振り回しておきながら、そんなことはできません。大丈夫です、私、結構頑丈ですから」
雅人さんから借りたパジャマの袖を軽くつまみ、腕まくりをする。
脱衣所でこれに着替えた時、自分と雅人さんとの体格の差を思い知った。
特にズボンは、ウエストが下がってしまうこともあるせいか、裾の長さが二十センチ以上余ってしまった。
裃(かみしも)のようにズルズル引きずるわけにもいかず、かと言って、裾を折り曲げてもウエストがすぐに下がってしまってはきにくいため、結局パジャマは上だけ借りることにした。
その結果、私は今、男物のパジャマをワンピースのように着ている。我ながら赤面ものの格好だったりする。
あまり見ないで欲しかったのだけれど、ベッドに腰かけた雅人さんは、私をじっと見つめつつこう言った。
「ふうん、俺は結子よりひ弱だと、そう言いたいのか」