初恋シグナル~再会は恋の合図~


確かにね、ふだんのあのテキトーな感じからしたら想像つかないと思うけど。


でも、いちばん最初に部員の中で辻村くんと打ち解けたのは瞬くんだったし、それに、あの夏の藤桜との練習試合でも、最初から本気でプレーしてた。


瞬くんだって本気でサッカーが好きなんだって、失礼ながら最近思ったよ。






「わ、すごい!!京都駅ってこんな立派なの!?」



新幹線をおり、外に出た瞬間、みんなのテンションが急上昇したようだ。


あちこちできゃあきゃあと楽しそうな声が聞こえる。



「騒いでないで進めー。置いてかれるぞー」


後ろからなんともやる気のない担任の声が聞こえ、やっと皆が歩き出す。



「すっごい綺麗な駅だったね」


「ね!」



列から遅れないようにしながらも、制服の上に羽織ったカーディガンの袖をパタパタさせている弥代に笑いかけた。


今日はこのままバスに乗り、クラスごとに色々な寺社をまわる日程になっている。


実は関西に来るのが初めてな私は、地元とは全然違う雰囲気になんだかドキドキしていた。


バスに乗り込み、窓から見える景色全てが新鮮。


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