初恋シグナル~再会は恋の合図~
人混みを必死で歩くうちに、清水寺の境内にある、恋愛や縁結びで有名な神社が見えてくる。
「うわー、すごい人…!やっぱり皆恋愛したいのかな」
そこは、他にも増して人がごった返していた。
バスの中でクラスの子が恋愛がどうのって騒いでるのが聞こえたけど、もしかしてここのことだったのかな?
なんて考えていたら、ふいに弥代が歩みを止めて振り返る。
「何言ってんの。美祈だって、好きな人に好きになって欲しいって思ってるくせに」
いきなりそんなことを言ってくるから、私は驚いて言葉が出なかった。
ど、どうした!?
「……好きなんでしょ、辻村くんのこと」
続けてそんなことを言われて、私はぽかんと自分の口が開いたことに気付き慌てて表情を引き締める。
いやいや。
だって!
今!?
それ、今言うことなの!?
もっといいタイミングがあったと思うんだけど!