初恋シグナル~再会は恋の合図~


弥代に隠し事なんてうまくできた試しがない。


だから隠すつもりはなかったし、それに弥代はなんとなく気付いてるんだろうなって思ってた。



だから、弥代が私の気持ちに気付いていたことには特に驚かない。



だけどさすがに、こんなところで言われるとは思ってなかったよ!!




「……まさか、私に隠すの?」


「違うよ、ただ言うタイミングが掴めなかっただけで…」


「……やっぱり、好きなんだ」




なぜか寂しそうに弥代はそう言う。


だけどそんな表情はすぐに消して、ふんわりと微笑んだ。



「でも、そうだよね。美祈にとっては初恋の人だもんね。それにあんなにカッコいいんだもん、好きにならないわけないよね」


「弥代は?誰か好きな人いないの?」



可愛くて、優しくて、勉強もできて、気配りもできて。


そんな弥代は中学の頃から私が羨むくらいに男子にも女子にもモテモテだったけど。


弥代の恋愛話ってあんまり聞かないんだよね。


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