初恋シグナル~再会は恋の合図~
「えー?いるよ?」
「え!?なにそれ聞いてないんだけど!!誰!?」
「えっとねー、美祈っ!」
そう言ってがばっと抱きついてきた弥代に、私は思わず笑みがこぼれた。
「私も弥代のこと大好きだよ?」
「ありがとーっ」
私の身体に回していた腕を解いて、弥代はにっこり笑う。
「うーん、私の大事な美祈が辻村くんに奪われるなんてすっっごくさびしいけど、辻村くんじゃ認めざるを得ないなぁ」
「え、弥代の厳しい審査をパスするなんてすごいな辻村くん!」
「だって、さすがの私もあれは合格させるしかありませんよ」
「あはは。まぁ、完全私の片想いだけどね!」
笑いながらそう言うと、そんなことないよ、と真顔で返された。
励ましてくれるのは嬉しいけど、これが私の一方通行の気持ちだってことは自分が一番分かってるつもり。