初恋シグナル~再会は恋の合図~


キュッとペットボトルのふたを開けて口に運ぶ辻村くんに頷いて、私もお金を入れてミネラルウォーターのボタンを押した。


ガコン、と鈍い音が響く。



「今日は別メニューだったんだな」


「あ、うん。高野コーチのお話、すっごく勉強になったよ。そっちはどうだったの?今日もゲーム中心?」



ペットボトルを取りながら訊くと、辻村くんからは「そうだな」という声が返ってきた。



きっと、今日も昨日みたいに目立ってたんだろうなぁ。


なんて考えたら、なんだか、すごく話を聞いてほしくなった。


高野コーチの話を聞いて、自分の進路見えたんだよ、って。


辻村くんみたいに頑張ってる人の支えになりたいって思ったんだよ、って───。



「辻村くん、今ちょっと時間ある?」


「何?」


「ちょっと話したいことあるんだ!」



「いいけど……」



少し戸惑ったようではあったけど、辻村くんは頷いて了承してくれた。


自販機は談話室のような場所のすぐ近くにあったので周りに人も多く、なんとなく話しづらかったので場所を変えることにした。


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