初恋シグナル~再会は恋の合図~


「わっ……!すごいすごい!!」


「寒っ!!」



結局、宿舎の中では落ち着いて話せる場所が見つからなくて、外に出ることになった。

寒空の星に歓声を上げる私に対して、寒そうに身をすくめる辻村くん。


ぶらぶらとふたり並んで歩き出した。



「話って何?」


こんなことなら飲み物ホットにすればよかった、なんて言いながら、辻村くんがそう訊ねてくる。


「そう!あのね、私、今日高野コーチの話聞いてね、決めたの!」


「決めた?」


何を、と辻村くんは先を促す。



「うん、すっごく漠然としてるし辻村くんから見たらそれだけって思うかもしれないけど……。
私、将来はスポーツ選手を支える仕事に就きたいな、って」


「支える仕事……」



「うん、いっぱいあると思うけど……、やっぱり一番はスポーツドクターかな。
そうすると大学は医学部だし、これからかなり勉強しなくちゃいけないから、まだなれる自信はないけど……」


そう言うと、辻村くんは、


「馬鹿か」


と呆れたように言った。


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