初恋シグナル~再会は恋の合図~


あいかわらず、行動が早いなぁ、と感心していると、


「ふーん。あれがキャプテン?」


と横から辻村くんに声をかけられた。



「あ、うん」


「……なんかどっかで見たことあんだけど」


「あー、そうだよね。坂上先輩、私達と一緒の小学校出身だもん。私は高校入ってから知ったけど、辻村くんはもしかして一緒にサッカーしたことあるんじゃない?」



小学生のころは、男子って休み時間は学年関係なく校庭でサッカーボールを追って駆け回ってたし。



私の言葉に、辻村くんは、少し考えた後、「あぁ」と合点がいったように頷いた。


「思い出した?」


「なんとなくな」




「美祈ちゃん、久しぶり」


や、と手をあげて坂上先輩が私と辻村くんのところに近づいてきてくれた。


穏やかで優しげな笑顔に、私もつられて微笑む。

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